インジケーターを外注しようと調べると、ココナラ、ランサーズ、専門業者のサイト、海外のマーケットプレイスと、選択肢がばらばらに出てくる。価格も納品形式も揃っていないので、比べようがない。
この記事では、それぞれが何を売っているのかを整理する。結論として、選ぶ基準は価格ではなく仕様をどちらが書くかだ。
外注先は大きく4種類
ココナラ。個人の出品者が並び、価格が明示されている。一律5,000円といった格安枠から、見積もり相談型まで幅がある。決済は取引完了までココナラが預かるエスクロー方式なので、支払い面の不安は少ない。やり取りはメッセージが中心になる。
ランサーズ。MT4やインジケーターのカテゴリがあり、Pine ScriptとMQL4/MQL5の相互変換を含む出品も並ぶ。こちらから条件を出して提案を募る形も取れるので、要件がはっきりしているときに向く。
制作代行の専門業者。EAとインジケーターの制作を看板にしている会社型の窓口だ。実績本数を公開しているところもあり、複雑な案件や、他で断られた案件の受け皿になっている。価格は見積もり制で、格安枠より高い。
個人の開発者に直接。TradingViewで公開スクリプトを出している人や、専門サイトを持っている人に直接依頼する形。仲介手数料がなく、相手の書いたコードを事前に読めるのが特徴だ。
価格帯そのものの分布は、こちらで分解している。
→ Pine Script作成代行の料金相場|依頼先の選び方と失敗しない発注
価格だけで比べると失敗する
外注先の比較でいちばん多い間違いが、金額を横に並べることだ。
ある出品ページには、ex4納品で著作権譲渡なし、ソースファイルの納品と著作権譲渡はオプション、と明記されている。つまり同じ金額でも、手元に残るものが違う。
コンパイル済みのファイルだけを受け取った場合、動きはするが中身は読めない。数か月後に条件を1つ足したくなったとき、同じ人に頼み直すしかない。その人が対応をやめていれば、そこで打ち止めだ。ソースコードを受け取れる契約なら、別の人に渡して続きを頼める。
だから見積もりを比べるときは、金額の隣にこの3つを書き足してほしい。ソースコードは付くか。使用範囲はどこまでか。納品後の修正はどこまで無償か。
MT4の場合の納品形式(mq4とex4)については、こちらで詳しく書いた。
→ MT4インジケーターの作成依頼|発注前に決めておく5項目
本当の分かれ目は「仕様を誰が書くか」
外注先の性格は、実はここで決まる。
格安枠は、依頼側が仕様を完全に書けている前提で成立している。「EMA20とEMA50のゴールデンクロスで上向き矢印、デッドクロスで下向き矢印、アラートあり」まで固まっていれば、その場で発注できて、2日で戻ってくる。安さはこの前提の対価だ。
逆に「なんとなくこの形で入っている」という段階だと、格安枠では話が進まない。条件を詰めるやり取りが往復し、そのたびに追加が発生する。結果として、最初から仕様設計込みで受けているところに出したほうが安く終わる。
だから最初に自分に問うべきは「予算はいくらか」ではなく、仕様書を自分で書けるかだ。書けるなら価格勝負でいい。書けないなら、書いてくれるところを選ぶ。
プログラマーとトレーダーの差が出る場面
もう1つ、価格表に出てこない差がある。
「RSIが30以下で反転したら買いサイン」と依頼したとする。コードとしては正しく書ける。だがチャートに載せると、レンジでRSIが30付近に張り付いたときにサインが乱発する。
トレードをしている人なら、この条件を聞いた時点で「レンジのときはどうしますか」と聞き返す。トレードをしていない人は、依頼書にレンジ除外と書かれていない限り、その処理を入れない。これは手抜きではなく、書かれていないことを勝手に足さないという、正しい仕事の仕方だ。
専門業者のサイトにも、格安帯については勉強中の個人が引き受けることが多く、値段と中身は比例する業界だという趣旨の記述がある。技術力の話もあるが、実務では仕様書に書かれていない部分を埋められるかのほうが効いてくる。
外注先を選ぶチェックリスト
発注前に、次を確認しておくと大きな失敗は避けられる。
納品形式。ソースコードか、コンパイル済みか。
著作権と使用範囲。自分で使うだけか、配布や販売もできるか。
修正の範囲。仕様どおりでない箇所の修正と、仕様変更の線引き。
相手の書いたものを見られるか。公開スクリプトやポートフォリオがあるか。
やり取りの手段。文章だけか、チャート画像を見ながら詰められるか。
断ってくれるか。「その条件だと難しい」「こう変えたほうがいい」と言ってくれる相手のほうが、結果的に完成品の質が高い。
Pine Scriptの外注で特に確認したいこと
MT4のインジケーター外注と違い、TradingViewには固有の論点がある。
indicatorかstrategyか。表示するだけならindicator、バックテストを回すならstrategyになる。書き方も設計も別物なので、どちらが要るかを最初に決める。
→ TradingViewストラテジー作成代行|indicatorとstrategyの違い
リペイントの扱い。上位足を参照する処理や、確定前の足で判定する処理は、あとからサインの位置が変わることがある。これを許容するかしないかは仕様として決めておく。
公開設定。TradingViewのスクリプトには非公開、招待制、オープンソースの区別がある。自分だけで使うのか、誰かに配るのかで設定が変わる。
MT4からの移植か新規か。既存のmq4があるなら移植になる。ex4しかない場合は、先にデコンパイルが必要になり、工程が1つ増える。
インジケーター作成代行の全体像は、こちらにまとめてある。
→ TradingViewインジケーター作成代行|あなたの手法をPineスクリプトで形に
まとめ
外注先は価格で並べても比較にならない。納品物と責任範囲が揃っていないからだ。
判断の順番はこうなる。まず自分が仕様書を書けるかを確認する。書けるなら価格と納期で選ぶ。書けないなら、条件の言語化から受けてくれるところを選ぶ。そのうえで、ソースコードと著作権と修正範囲の3点を金額の隣に並べる。
PineScript Proは、実際にトレードしている開発者が直接コードを書いている。「なんとなくこう入っている」という段階からのヒアリングにも対応していて、ソースコードもそのまま渡している。TradingViewで公開しているスクリプトがあるので、書いたものを先に読んでから判断してもらえる。
→ 関連記事:Pine Script作成代行の料金相場|依頼先の選び方と失敗しない発注
→ 関連記事:TradingViewインジケーター作成代行|あなたの手法をPineスクリプトで形に















